今日のみ言葉(2011年5月19日)【No.60】

2017年4月15日

「あなたがたの間でかしらになりたいと思う者は、すべての人の僕とならねばならない。」
(マルコによる福音書 10:44)
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聖書は人間が経済的に豊かになることや、1番になることを否定していません。むしろ勧めています。「わたしがきたのは、羊に命を得させ、豊かに得させるためである。」(ヨハネ10:10)。問題は、得たお金をどうするか、努力して一番になってどうするか、です。
神様から豊かに祝福され、自分もそのチャンスを生かし、豊かになった後、クリスチャンが失敗するのは、それを「自分のため」に使おうとする時です。神の祝福を自分のために利用する。途端に天の窓はピシャリと閉じてしまいます。

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ではどうしたらいいのでしょうか?簡単です。失敗例の逆をすればよいのです。すなわち、神の祝福を自分のために使おうとしないことです。一生懸命働いてお金がどんどん入ってきたら、それを豊かに与えていくことです。一番いいのは、与えたら返ってくるという投資的考えが成り立つところにお金を注ぐのではなく、返ってくる見込みのないところに与えることです。
「むしろ、宴会を催す場合には、貧しい人、体の不自由な人、足の悪い人、目の見えない人などを招くがよい。そうすれば、彼らは返礼ができないから、あなたはさいわいになるであろう」(ルカ14:13-14)。やがてあなたは「さいわいになる」と約束されています。これは信じた者だけが体験できることです。
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人の上に立って一番となり、リーダーとなりたい人も同様です。なっていいのです。神様も応援して下さいます。しかし、かしらになってやることは、下の者を自分に服従させ、自分のやりたいことを自由自在にやる…、ことではありません。イエス・キリストは人々や弟子たちに仕え、「僕として働くリーダー」の見本を示して下さいました。
すなわち、かしらである自分が下の者に仕え、リーダーとして持っている権限をその人たちの仕事がやりやすいように使い、あれこれ配慮させていただく。これが神から与えられた地位の用い方です。
キリストの手本に従い、そのように行っていると、やがてあなたは周囲の人から仕えてもらえます。神から与えられた才能や能力という祝福を自分のものとせず、神のために使う時、捨てて得る世界、下になって上に引き上げられる体験をするのです。

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池田守男氏は東京神学大学を出た敬虔なクリスチャンです。池田氏が社長に就任した時の資生堂は、高度経済成長時代の「商品数を増やせば売り上げが上がる」という考えから抜け出せず、過剰在庫が経営を圧迫していました。また、不況や新興・海外ブランドに押され、販売不振の中でした。

その状況で彼が到達したのは、今日の聖句が語るサーバントリーダーシップ(Servant Leadership)でした。それは第一線でお客様と接する人たちが企業で一番重要な人たちで、社長は一番下でしもべに徹するという「逆ピラミッド」の発想です。池田氏は「サーバント・リーダーという考え方は、イエス・キリストが弟子の足を洗ったという故事のように、上の地位の者が下の者を支えるという考えと、まったく同じではないかと思い至ったのだ」(池田守男+金井壽宏著,『サーバント・リーダーシップ入門』,かんき出版,P116)と書いておられます。

やがて池田社長のもと、「メーカー発想からお客様発想」「おもてなしの心」というフレーズが生まれ、業績は回復していきます。経営陣が社員に対して「奉仕者としてのリーダーシップ」を発揮するようになったので、下に連なる社員もお客様のために奉仕するという価値観を共有するようになりました。それは、上からの指示を待たずに、社員が自らの判断で行動できることを意味します。そして、変化と競争の激しい現場にいる社員がお客様の要求に素早く、かつ、柔軟に応えられるという結果につながりました。

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本当に用いられる方とはどんな方でしょうか?そうです、かつて仕えてもらった体験を持ち、今度は誰かに仕えていくあなたのことです。今日もその思いを持って、一歩々々、歩みを進めて参りましょう。

初期,御言葉

Posted by maruyama