今日のみ言葉【No.1492】(2017年 3月14日) 071 「イエスの水上歩行と弟子たち」(2)

「わたしだ、恐れることはない」
(ヨハネ6:20)

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昨日の観覧車の話の続きです。

「溺れる者は藁をもつかむ」という諺のように、私が窓枠をつかんで脂汗を流しているのを見て、ここぞとばかりに妻が言いました。

「まったく、も〜、何回も飛行機に乗っている人が何を恐がっているの?」

そうなのです。数千メートル上空の雲の上を飛ぶ飛行機の中では安心していて、わずか数十メートルの観覧車の中では恐れているのです。

恐れは全て私たちの頭の中で作り出されます。

状況は全く変わらなくとも、私たちの心の中が変えられると、そこに平安がやって来るのです。

イエス・キリストの存在によって、弟子たちの心は180度変えられていきました。

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弟子たちが嵐の湖の上で翻弄されているとき、イエス様が湖の上を歩いて弟子たちの舟に近づいてこられました。

嵐にいささかの影響も受けず、不安定極まりない水の上を歩くことのできるイエス・キリストというお方はどのような方なのでしょう。

決して動かされない御方なのです。

「わたしだ、恐れることはない」
(ヨハネ6:20)

この「わたしだ」は、ギリシャ語原典で「ἐγώ εἰμι(エゴー エイミー)」です。

これは旧約聖書で神がモーセにご自分を明らかにした時の

「わたしは、有って有る者」
(出エジプト記3:14)

という言葉と同じで、確かな存在者ということを表します。

イエス・キリストは、何ものにも左右されず、その存在が揺るがされない御方なのです。

この動かない方に依りすがって生きていく時に、私たちは動かされない人生を生きるようになります。

そして、この御方と離れずにつながっている時、今度は嵐の中で揺れ動く人々を静めていく人生を生きるようになるのです。

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引きこもりの息子さんを通してこの人生を生きた親御さんがおられます。

学校で受けたイジメが原因で、息子さんが引きこもってから4年がたちました。

ご両親の愛の努力で、彼はだんだん元気が出てきました。

元気が出て来ると、すぐ学校に戻れるか、社会に復帰できるのか、というとそうではなく、その前に本人は羽ばたくための練習をします。

それは家族を試すということです。最初の標的は母親です。

今まで一言も発しなかった息子が

「お母さん、僕、もう大丈夫だよ」

とは言いません。

自分の力がどのくらい相手に影響を及ぼすかを知るために、

「僕なんか生きていないほういいよね」

と言います。

これが親を試すという具体例です。

お母さんはあわてふためいて、

「○○ちゃん、死なないで!」

とブレにブレます。

息子としては、揺れ動く心をしっかりと受け止め、静めて欲しいのでお母さんにぶつけるわけですが、そのお母さんがまた揺れるので、その振動が彼を更に揺り動かすという悪循環となります。

そこでお母さんは

「パパ、○○ちゃんがこんなこと言ってるのよ!」

とご主人に助けを求めます。

お父さんは息子にこう言いました。

「あのな、お前、何欲しいんだ?お前のいいようにするぞ」

大丈夫そうに聞こえますが、実は

「困ったなあ、どうしたらいいんだろう。お前が死なないように何でもするから勘弁してくれ…」

という弱気の発言なのですから、息子の

「僕の不安を解消してくれ。止めてくれ」

という要求を満たすどころか、父親である自分が更に揺れを増幅することになってしまいます。

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ご両親は自分たちが息子の存在不安を支える確かな存在になっていないことを知りました。

また、自分自身をさえ支えられない者であることもわかりました。

お二人はイエス・キリストという確かな存在に身を委ね、自分たちは揺れ動く存在であっても、決して動かない確かな方に信頼しようと心に決められました。

そうすると出て来る言葉が違ってきます。

「大丈夫。あなたの命は神様がしっかり握っているから大丈夫。」

このガッシリとした動かない存在に息子が触れるので、彼の揺れが収まるのです。

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自分の人生にはしっかりとした土台がない、と気づかされた時は、イエス・キリストと出会う良いチャンスです。

水の上でどうしようもない弟子たちに

「わたしだ、恐れることはない」
(ヨハネ6:20)

と力強い言葉をかけて出会ってくださるのがイエス様だからです。

なぜこんなに恐れるのだろう、と自分でも思う時。

その恐れは神様から発行された出会いの招待状なのです。

今日もそのイエス・キリストに信頼し、揺れ動いていても平安だ、と思える一日を過ごして参りましょう。

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