今日のみ言葉【No.1443】(2016年12月22日) 055 「クレネ人シモン」(2)

主にあって選ばれたルポスと、彼の母とに、よろしく。彼の母は、わたしの母でもある。
(ローマ16:13)

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私は高校の理数科を卒業しました。

30年ぶりにクラス会に出席してわかったことは、理系の仕事をしている者はひと握りだという驚くべき事実です。

理数科なのに、国語の教師二人、美術の教師一人。理科と数学の先生になった人はいません。

試験前に遊び呆けて映画を一緒に見に行った2名の悪童は、今や寺の住職と教会の牧師(!)になっています。

未来とはわからないものです。

クレネ人シモンが自分で描く未来は、決してその通りにならず、キリストとの出会いによって、それを上回るものとなりました。

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クレネ人シモンは、自分が重い十字架を背負って死刑囚の刑場まで行く、とはその日の朝まで考えたことなどなかったでしょう。

あの日、十字架にかかる罪人の見物にさえ出かけなければ…。

目の前であの男が倒れさえしなければ…。

ローマ兵と目が合わなければ…。

いろいろな思いが頭の中を駆け巡ったことでしょう。

思いもよらない出来事が災難のように降りかかった後の彼はどうなったでしょう?

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マルコ15章21節から、シモンはアレキサンデルとルポスとの父であることがわかります。

「そこへ、アレキサンデルとルポスとの父シモンというクレネ人が、郊外からきて通りかかったので、人々はイエスの十字架を無理に負わせた。」
(マルコ15:21)

また、ローマ16章13節を読むと、アレキサンデルとルポスはローマの教会でよく知られた人のようです。

「主にあって選ばれたルポスと、彼の母とに、よろしく。彼の母は、わたしの母でもある。」
(ローマ16:13)

もう一つ、使徒パウロがシモンの妻を尊敬を込めて「私の母」と呼ぶほどの存在であることから、シモンの家族全体はキリストの福音を受け入れ、良きクリスチャンホームになったことがうかがえます。

「なんで私が?」

「どうしてこんな目に遭わなければならないのか?」

災難かと思われた「十字架を負わされた」出来事は、彼に深い影響を与え、シモンはその後クリスチャンになり、そこから一家全体が信仰を持ち、妻と息子たちが教会で重要な働きをなすようになっていきます。

十字架を背負わされたという出来事は、彼とその家族をキリストとの出会いに導きました。

「まさかそんなことが!」と思う出来事に遭遇した時、それは神様からの祝福の招待状が届いた時なのです。

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40代を過ぎると、自分がしたことではない、人がした仕事の責任を取ったり、後始末をする、ということが増えてきます。

また、自分の人生計画になかったことが起きてきます。

急に親の介護をすることになったり、住む場所を変えなければならなくなったり、夫がリストラに遭ったので内向的な奥様が苦手な接客の仕事にチャレンジしなければならなくなったり等々、様々な出来事が起きます。

全部自分に都合のいいことばかり神様が起こして下さるわけではない、と頭では分かりますが、それでも、イヤだなあ、と思うのが十字架です。

神様は、

「私の人生計画にはそんなものはありません!」

「それは私には向いていません!」

「どうしてこんなことがあるのでしょうか?」

という負いたくないものを通して、御自身と出会わせて下さるようです。

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K兄の家庭環境は劣悪でした。

父親はアルコール依存症。喧嘩と暴力が絶えない中、両親は離婚。

彼は家族と折り合いが悪く、高校卒業と同時に就職という名目で家を離れました。

その後は聖書の放蕩息子の話同様の生活で、気づいた時には父親と同じアルコール依存症になり、10年の月日が過ぎていました。

とうとう警察沙汰になることまで起こし、自分をコントロールできない状況に恐れを抱いたK兄は教会の門をたたきました。

クリスチャンになった彼は、ディボーションを始め、今までずっと伏せていた自分の本音を神の前に表し、本当の姿をさらけ出しました。

何か神様の暖かいものにつつまれた気がしました。

やがて、気がついたら、長年連れ添っていたアルコール依存症は去っていました。

神様が共にいて下さる生活へと完全に切り替わったからです。

神はこのようにして、アルコール依存症を通してK兄と出会って下さったのです。

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十字架を通してキリストに出会うことを覚える一日として参りましょう。

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