今日のみ言葉【No.1285】(2016年 5月17日) 001 「ヨセフとマリヤ」(2)

夫ヨセフは正しい人であったので、彼女のことが公けになることを好まず、ひそかに離縁しようと決心した。
(マタイ1:19)

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ヨセフの性格を漢字一字で表すとすれば、

「誠」

でしょう。

「夫ヨセフは正しい人であった」
(マタイ1:19)

とあるように、彼は律法が定めた正しさを全うしようとする誠実な人でした。

ところが、誠実な人が常に幸福であるかどうかは不確かです。

誠を貫き通そうとすればするほど、自分の損得というものが浮かび上がってくるからです。

ヨセフは、婚約者マリヤがイエス様を胎に宿した、という事実でこの葛藤を経験します。

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聖書は

「母マリヤはヨセフと婚約していたが、まだ一緒にならない前に、聖霊によって身重になった」
(マタイ1:18)

と記していますが、マリヤからこの事実を告げられた時のヨセフの気持ちはどういうものだったでしょう?

当時のユダヤでは、婚約したということは結婚したのと同じであり、まだ一緒に住んでいないだけでした。

ヨセフにとって身に覚えのないマリヤの妊娠ですから、

・夢でも見ているのではないか
・悪い冗談か
・心の病が発症したのか

などの考えが次々浮かぶ中、最後に、一番考えたくない

・自分以外の他の男との間にできた子ども

という可能性が出てきます。

これは最悪のケースです。

姦淫は当時死罪だったからです。

しかし、世の中でありがちなことですから、最も可能性の高いケースでもあります。

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ヨセフは悩んだことでしょう。もしそれが本当なら、彼は裏切られたことになるからです。

怒りが湧いてきて当然でしょう。

ただ、「聖霊によって身重になった」という突拍子もないことを言っていますが、嘘をついてごまかそうとしているのではないようです。

となれば、精神的に錯乱している状態ですから、逆に保護してあげなければなりません。

「自分はマリヤを愛しているのではないか?しかし、そのような人とこれから一緒に暮らしていけるだろうか?」

ヨセフは葛藤します。

マリヤを捨てて自分が幸福になることを選ぶか、マリヤが生きるために自分としては不本意な人生を生きるか…。

悩みに悩んだ末の結論が、

「ひそかに離縁しようと決心した」
(マタイ1:19)

ということです。

公にならなければマリヤは助かります。

また、ヨセフの心の痛手は残りますが、不倫の妻とその結果の子を引き取って生活出来るだけの力は自分にはないことを認めざるを得ません。

誠実なヨセフが葛藤の末に出した結論が、ひそかに離縁する、という答だったのです。

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人生でどうしていいかわからない時は、自分が考えられる限りで最善だと思う答を出し、それを実行することが事態を進めていきます。

満点のパーフェクトな答を出すことは無理なのです。

神が求めておられるのは「The best ザ・ベスト」の答ではなく、「My best マイ・ベスト」の答を出すことです。

ヨセフの考えに考えた末の答とて、神の完全かつ最善の答とは正反対の方向の不十分な答だったのです。

しかし、自分にとって最善と思える答を出した後、主の使いが夢に現れ、神の御告げを与え、ヨセフの方向を修正してくれました。

そして何より、イエス様の誕生という特殊な出来事に巻き込まれたヨセフでしたが、そのことによって彼の誠実さがあらわにされ、神との出会いを経験する機会に恵まれました。

神は葛藤の向こう側に恵みの答を用意されているのです。

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あなたなりの最善の答を出す一日として進んで参りましょう。

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