今日のみ言葉【No.1286】(2016年 5月18日) 001 「ヨセフとマリヤ」(3)

マリヤは月が満ちて、初子を産み、布にくるんで、飼葉おけの中に寝かせた。
(ルカ2:6-7)

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私が子供の頃は、ちょっと田舎に行けば牛や馬を飼う農家があちこちに見られました。

今とは違って、馬小屋牛小屋の強烈なにおい、牛のお尻に群がるハエ、それを追っ払うために絶えず動いている尻尾、などが子供心に強烈な思い出となって残っています。

現代のようにワンちゃんやニャンコを清潔な状態で家の中で飼うなどとは全く違った風景が広がっていたのです。

イエス・キリストはそのような状況の中、飼葉おけに寝かせられました。

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初産のマリヤなのですから、夫ヨセフは、暖かく、安全な、そして頼りになる人たちが周りにいる環境で出産を迎える用意をすべきだったのではないでしょうか?

ところが、

「そのころ、全世界の人口調査をせよとの勅令が、皇帝アウグストから出た」
(ルカ2:1)

のです。民衆は皆自分の生まれた土地で登録をしなければならなくなりました。

それでヨセフは身重のマリヤを伴い、ナザレから生まれ故郷のベツレヘムまで約120kmの旅をしなければならなかったのです。

そもそもこの人口調査は、人頭税を徴収するためでした。

ローマ帝国がユダヤから税金を徴収するのにごまかしが効かないように、わざわざ大規模に行ったのです。

他者の欲望の結果としての命令に動かされ、ヨセフとマリヤは自分たちの思いとはそぐわない生き方をせざるを得ませんでした。

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普段住んでいる人以上の人々が集まっていたベツレヘムでしたので、彼らには泊まるところがありません。

そうこうしている内に陣痛が起きてイエス様が生まれました。

イザヤ書第1章3節に

「牛はその飼主を知り、ろばはその主人のまぐさおけを知る。」

とありますので、牛やろばが飼われていたのと一緒の場所の飼葉おけの中にイエス様は布にくるまれ、寝かせられました。

ヨセフとマリヤは、親として精一杯の環境を整えてあげたかったことでしょう。

しかし実際は、十分な準備もできず、取り繕う暇もなく、あっという間にその時が来たのです。

イエス様は、準備して大丈夫になった場所ではなく、私たちの心の飼葉おけの中に来られます。

そこが本当の私たちがいる場所だからです。

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その点、イエス様は学校の先生が家庭訪問に来られるのとは違うようです。

先生が来られるのをむしろ「片付けのチャンス」ととらえて、大掃除をするご家庭もあることでしょう。

しかし、先生をお迎えしても、帰ってしまえば以前と同じになります。

家の中が綺麗なのは、ほんの一時的です。

あなたの本当の生活がまた始まるからです。

イエス様が来られる場所は飼葉おけ、つまり、普段の私たちの所に来られるのです。

ところが、そこに来てほしくない人もいらっしゃいます。

「すべての人を照すまことの光があって、世にきた」
(ヨハネ1:9)

とあるように、イエス様は光なので、隠しても隠し切れない汚れた「飼葉おけ」が照らしだされるからです。

人間、都合の悪いところには来てほしくないものです。

ですから、飼葉おけが見えなくなるように、多くの人は光そのものを消してしまいます。

イエス様と縁を切ってしまうのです。

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キリストは、あえて人間の本音の所に来られます。

そして、何も立派なことはできない時に来られるのです。

イエス様を心に迎え入れるのに、何も準備はいりません。

飼葉おけの中にお生まれになったのですから、どんな場所でも入ってくださいます。

むしろ、あなたが一番見せたくない部分にイエス様は共にいたいと願っていらっしゃいます。

お会いするのには、心の扉を開けるだけです。

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光を消すことなく、光を受け入れる一日として参りましょう。

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