今日のみ言葉【No.20】(2011年 4月 9日)
「神のなされることは皆その時にかなって美しい。神はまた人の心に永遠を思う思いを授けられた。それでもなお、人は神のなされるわざを初めから終わりまで見きわめることはできない。」(伝道の書3:11)
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江戸時代後期、山形県特産の紅花から作られる口紅が流行しました。
まゆはきを
俤(おもかげ)にして
紅粉(べに)の花
松尾芭蕉
この時代の浮世絵を見ると、唇の色が紅色だけでなく、緑色のものがあります。これは玉虫色と言って、当時の女性たちにとって特別な色でした。光の加減によって、紅く見えたり緑色に見えたり変化するのです。
この玉虫色は、どのようにして生み出されるのでしょうか。
紅花から採れた紅粉を薄く伸ばして塗るとやわらかみのある愛らしい赤。さらに幾重にも、塗り重ねると、紅が玉虫色の輝きを放ちます。実は、純度の高い紅を塗り重ねた時だけ、この色が生まれるのです。(NHK 鑑賞マニュアル「美の壺」 file185「和の化粧」より)
私たちの人生には、美しいと見える出来事があり、また、悲しいとしか見えない仕打ちもあり、それらが次々と目の前に起こり続けます。しかし、その一つ一つに神の御心を見いだそうとし、幾重にも幾重にも塗り重ねていくと、やがて時至り、玉虫色の輝きを発するのです。それは、赤と緑という全くの正反対の色が同居し、共にその美しさを輝かせるという神の業なのです。
初めから終わりまでご存じの神にお任せし、今日一日を神のなされる美しさを見いだす日としてまいりましょう。
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