今日のみ言葉【No.3082】(2023年 5月19日)「善きサマリヤ人の話(4)」
イエスが答えて言われた、「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った。
(ルカ10:30)
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山形の蔵王温泉は、標高約900メートルの所にあり、エルサレムと高度は同じです。
「エルサレムからエリコに下る道は、こんな風にくねくねと曲がった山道だったのかもなあ」
と想像しながら車を走らせていると、霧の深い日などには突然カモシカが飛び出してきたりします。
イエス様の話は、あるユダヤ人が突然現れた強盗に襲われるところから始まります。
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「ある人がエルサレムからエリコに下って行く途中、強盗どもが彼を襲い、その着物をはぎ取り、傷を負わせ、半殺しにしたまま、逃げ去った」
(ルカ10:30)
例えばひき逃げ事故でけが人が倒れていたとしましょう。
あなたは素通りしますか?
まさかそんなことはありません。
必ず救助に向かうはずです。
しかし、このたとえ話では、祭司とレビ人が見て見ぬふりをして
「向こう側を通って行った」
(ルカ10:31、32)
と書いてあります。
祭司・レビ人とは、現代の教会にたとえると牧師や教会スタッフのことです。
牧師や教会スタッフが礼拝準備のため教会に向かう途中、交通事故のけが人を見て、
「この人に関わっていたら時間がかかって礼拝を定刻に始められない。無視して急ごう」
などと考えて過ぎ去ってしまうなどとんでもないことです。
しかし、イエス様の話の中では、そのとんでもないことが起きたというのです。
考えられることは、道に倒れている人がもし死んでいた場合、律法上、触れた者は儀式的に汚れたことになり、宗教行事は一定期間できません。
そこで祭司やレビ人は、
「神を優先するか、このけが人を優先させるか」
という問いを頭の中で作り、
「私は神を優先させたのだから正しい選択をしたのだ」
と納得させ、離れていったのでしょう。
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ここにサマリヤ人が通りかかります。
サマリヤ人がどんな人たちなのか知らないとこの話の意味がわかりませんので、少し説明をします。
古代イスラエルの歴史上、国が北王国と南王国に分かれた時期がありました。
北イスラエル王国はアッスリヤに滅ぼされました。
アッスリヤは征服した民族をバラバラに移動させ、異民族同士の結婚政策を進めました。
純粋な単一民族のままでは団結意識が高まり、やがて反逆する可能性があります。
しかし、雑婚政策により民族性が薄まると、その危険性は減ります。
それが狙いだったのです。
さて、異民族同士の生活では、双方の価値観を認め合い、共存させなければやっていけません。
宗教も同じことで、自分が信じる神を相手に強制すれば、争いが起きるか離反するかになります。
サマリヤ人とは、ユダヤ人とアッスリヤによって連れて来られた外国人との混血の人たちです。
彼らはユダヤ人が信じるユダヤ教と似てはいるが微妙に違う信仰を持った人たちで、ユダヤ人たちからすれば、確かに先祖の血統とのつながりはあるが、異邦人として分類される人々だったのです。
イエス様はこのサマリヤ人をご自身の話の中に登場させました。
しかも怪我をした旅人を助ける善人の主人公としてです。
自分たちとは無関係な異邦人ではなく、ユダヤ人と縁を持ちながら、しかし異邦人として扱われるサマリヤ人。
隣人なのか、あるいはそうではないのか、と考える律法学者に、その境界線をギリギリまで考えさせる絶妙の人選です。
このお話はどのようになっていくのでしょうか?
以下、次回に続きます。
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今日、神様が送られる「わたしの隣り人」との出会いを大切にして参りましょう。
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