今日のみ言葉【No.2561】(2021年 6月14日)「キリスト教イロハ(161)『律法学者』」
わたしは言っておく。あなたがたの義が律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、決して天国に、はいることはできない。
(マタイ5:20)
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テレビの時代劇では
「おぬしもワルよのぉ〜」
と言うのが悪代官で、
「いえいえ、お代官様ほどでは…」
と言ってニヤリと笑うのは悪徳商人だと決まっています。
勧善懲悪ストーリー中の悪役を確定させるセリフです。
聖書の中では律法学者とパリサイ人がこの悪代官と悪徳商人のように見えますが、実際はどうなのでしょう。
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律法学者とは、律法の解釈と適用を厳密に研究することに専心した学者です。
ですから、彼らは賄賂を要求する悪代官ではありませんし、利益を追求する欲深な悪徳商人でもありません。
むしろ律法学者は極めて熱心でまじめな人たちだったと言えるでしょう。
イエス様も
「わたしは言っておく。あなたがたの義が律法学者やパリサイ人の義にまさっていなければ、決して天国に、はいることはできない」
(マタイ5:20)
と言われ、彼らが義を追求している人たちであることは認めておられます。
ただし、その熱心さとまじめさが度を過ぎ、正しいコースからそれてしまいました。
使徒パウロはこう言います。
「わたしは、彼らが神に対して熱心であることはあかしするが、その熱心は深い知識によるものではない」
(ローマ10:2)
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例を一つ挙げてみましょう。
モーセの十戒に、
「七日目はあなたの神、主の安息であるから、なんのわざをもしてはならない」
(出エジプト20:10)
とあります。
律法学者たちは、この一つの律法の解釈と適用のために、39か条の禁止事項を作りました。
それだけではなく、今度はその禁止条項を守るための条項も作り、計234の行為が禁止されるようになりました。
イエス・キリストが来られた時代、ユダヤの人々にとっての神礼拝とは、これらの細かい規則を守って生活することになっていました。
この条項、細則を研究するのが律法学者であり、この律法を生活の中で全部実行しようとしたのがパリサイ人と呼ばれる人たちです。
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なぜこうなったのかの原因は、人間的配慮にあります。
人に律法を守らせるために、いわば「手厚い保護」を加えたのです。
たとえば、あくまでも想像ですが、現代の教会に律法学者がいたとしましょう。
寝坊して礼拝に遅刻しないように、前の晩は十分睡眠を取ることが必要です。
彼はすぐ、
「前日は午後10時以降起きていてはいけない」
という禁止事項を設けます。
これだけでは律法学者は安心できません。
「待てよ、コーヒーを飲んだら眠れなくなるなあ」
そこで、コーヒーを禁止事項に加えようとします。
しかし、カフェインの血中濃度は時間と共に下がることを知ると、
「礼拝の前日は午前中のコーヒーは良いが、午後からコーヒーは飲んではいけない」
と条件を加えて発表します。
彼はさらに銘柄まで研究し、どの豆ならよく、どの豆なら悪いということまで規定しようとします。
いかがでしょう?
このようにして、たとえ動機は善であっても、山のように細則は膨らみ、結果としてそれに倣う人々は窮屈な信仰生活をさせられることとなったのです。
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このようになってしまった原因を聖書は
「なぜなら、彼らは神の義を知らないで、自分の義を立てようと努め、神の義に従わなかったからである」
(ローマ10:3)
と解き明かしています。
神の義とは、イエス・キリストが十字架で私たちの罪を負ったと信じることによって得られます。
私たちはその信仰によって神から義なる者と認められ、救われるのです。
「わたしたちは、こう思う。人が義とされるのは、律法の行いによるのではなく、信仰によるのである」
(ローマ3:28)
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キリストを信じることで私たちは律法から解放されています。
その安心の中で、神の御心を選ぶ生活をして参りましょう。
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