今日のみ言葉【No.2144】(2019年11月14日)「キリスト教イロハ(29)『割礼』」

2019年11月14日

キリスト・イエスにあっては、割礼があってもなくても、問題ではない。尊いのは、愛によって働く信仰だけである。
(ガラテヤ5:6)

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私の母親の話によると、生後間もなくの検診で

「あー、この子は舌の裏側がくっついてますね。ちょっと切っておきますね」

と言ったかと思うと、医師がハサミで私のベロの下の一部をチョキンと切ったのだそうです

赤ちゃんの私は火がついたように泣いたらしいのですが、それで完了です。

これが大人になってからなら麻酔をしての手術で大変なことになったのでしょうが、生まれたばかりの生命力豊富な時期なのでこんなことで済んだのでしょう。

私が今何不自由なく喋れるのはその時のお医者さんの外科手術(!)のおかげです。

ユダヤ人の男の赤ちゃんは生後8日目に割礼(かつれい)という簡易外科手術を受けました。

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聖書の中によく出てくる言葉ですが、あまりその説明を聞かないので何となくしかわからない言葉の代表が「割礼」です。

その理由は、これが男の子のおちんちんに関することなので、あまりおおっぴらに話すことではないと私たちが考えているからでしょう。

古代オリエントの世界では、男子の陰茎の包皮を切除する習慣がありました。

つまり、男性器の前の皮を切り取る簡易手術です。

古代イスラエル人はこの習慣を信仰的に理解し、神に選ばれた民のしるしとしました。

「あなたの家に生れた者も、あなたが銀で買い取った者も必ず割礼を受けなければならない。こうしてわたしの契約はあなたがたの身にあって永遠の契約となるであろう」
(創世記17:13)

割礼は身体に刻まれた神の契約のしるしですから、これの良いところは、割礼によってイスラエルは常に神と共にいるという意識が共有されたことです。

ただし後世になってマイナス面が出てきました。

それは、割礼がありさえすれば神の祝福を受け継ぐ契約が自動的に我がものになるという考え方になり、心が神から離れ、御心にそぐわない行動をしていても、

「私は救われている。祝福されている。イスラエルは滅びない」

という悔い改めの全く無い生活になったということです。

これはあらゆる方面で陥りがちなことですが、初心が忘れられ形骸化したものが、伝統だからと延々と続けられていったのです。

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預言者エレミヤは、神の選民とは外的なしるしによるのではなく、心に割礼を受けていることが大切なのだという神の御心を伝えました。

「ユダの人々とエルサレムに住む人々よ、あなたがたは自ら割礼を行って、主に属するものとなり、自分の心の前の皮を取り去れ。さもないと、あなたがたの悪しき行いのためにわたしの怒りが火のように発して燃え、これを消す者はない」
(エレミヤ4:4)

新約聖書でパウロは

「キリスト・イエスにあっては、割礼があってもなくても、問題ではない。尊いのは、愛によって働く信仰だけである」
(ガラテヤ5:6)

と語り、割礼という形式の有無は一切問題ではないとしています。

キリストの救いが訪れた新約時代以降、割礼はもう過去のもので廃止されたのです。

大事なのは彼の言うように

「尊いのは、愛によって働く信仰だけである」
(ガラテヤ5:6)

ということです。

私たちが心にイエス・キリストを救い主として迎え、聖霊様に宿っていただき、その御声を聞こうとすると、徐々にその生き方は他者を愛する方向へと向かっていきます。

常に御言葉を心にたくわえ、キリストの内にとどまっていることがすなわち心に割礼を受けている生き方と言えるのではないでしょうか。

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「わたしの愛のうちにいなさい」
(ヨハネ15:8)

この御言葉の内にとどまり、キリストの愛の中を歩む今日として参りましょう。

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