今日のみ言葉【No.2077】(2019年 8月22日)「キリスト教イロハ(10)『アロン』」
あなたの兄弟レビびとアロンがいるではないか。わたしは彼が言葉にすぐれているのを知っている。見よ、彼はあなたに会おうとして出てきている。彼はあなたを見て心に喜ぶであろう。
(出エジプト4:14)
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かつて王貞治選手がホームランの世界記録を達成した時、
「あのベーブ・ルースを抜き、今やハンク・アーロン(Hank Aaron)の持つ世界記録を抜き…」
と報道されました。
Aaronという英語表記は、日本語聖書ではアロンです。
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アロンはモーセの兄です。
父アラム、母ヨケベテ、姉はミリアムです。
アロンは言葉に達者な人で、雄弁でないモーセを助けて、エジプト脱出の際にファラオ(パロ)に対する代弁者となり活躍しました。
その後、彼は最初の大祭司として選ばれ、レビ人の先祖となりました。
このような彼の肯定的面がありますが、否定的面も聖書は事細かに記しています。
一番有名なのは、モーセがシナイ山で神から十戒をいただく際に40日間を山で過ごして留守にした時の出来事です。
麓の民はモーセは当てにならないと主張し、金の子牛を作ってそれを神として拝もうとし始めました。
真の神から偶像神に移ることをやめさせず、民の声に負けて金の子牛を作ったのがアロンです。
後にモーセにそのことをとがめられた時、彼は有名な言い訳をします。
「彼らはわたしに言いました、『わたしたちに先立って行く神を、わたしたちのために造ってください。わたしたちをエジプトの国から導きのぼった人、あのモーセは、どうなったのかわからないからです』。そこでわたしは『だれでも、金を持っている者は、それを取りはずしなさい』と彼らに言いました。彼らがそれをわたしに渡したので、わたしがこれを火に投げ入れると、この子牛が出てきたのです」
(出エジプト32:23-24)
金を火に投げ入れたら子牛がひょっこり出てきたのだそうです!
その他、アロンの罪や人間的弱さは聖書のあちこちに見つけられます。
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神に仕える者としてはふさわしくなく、いつ罷免されてもいいはずのアロンですが、そうはなりません。
それは彼が神に選ばれた者だからです。
今日の聖句にこうあります。
「あなたの兄弟レビびとアロンがいるではないか」
神はモーセを選んだ時点でアロンも選んでおられたのです。
「わたしは彼が言葉にすぐれているのを知っている」
アロンには神から与えられた才能がありました。
神はその才能を用いようとしておられたのです。
これは神の側から見た面です。
人間であるアロンの側からはまた違って見えます。
それは神からの語りかけであり、理屈に合わないことに従うことでもあります。
信仰とは時にそういうものなのです。
それがどのような状況であったのかは聖書に詳しく記されていませんが、アロンが神の声を聞いたのは確実です。
なぜなら
「見よ、彼はあなたに会おうとして出てきている」
とあるからです。
モーセが40歳で殺人を犯してエジプトから逃避し、すでに40年の月日が経っています。
今どこにいるのか、生きているのかもわからない行方不明の弟と会いに、ただ神の導きにのみ従って、アロンは身の危険をも顧みずエジプトから荒野に出てきたのです。
これが神の選びに応答するアロンの信仰でした。
失敗し、自分の弱さを見せつけられ、人々からの「またですか…」と言わんばかりの視線を感じると、
「神様から選ばれたと信じたあの確信は嘘だったのかもしれない。自分の勝手な思い込みだったのかもしれない」
と思うものです。
しかし、選ばれた者は、生き恥をさらしながら神の選びに必死に食い下がり、選びを全うしながら生き切るのです。
アロンはその見本です。
そしてモーセが
「彼はあなたを見て心に喜ぶであろう」
とアロンの存在を喜んでくれたように、自分を喜んでくれる人と共に生き、神の使命を果たそうと生きる中で、喜びを一つ一つ見出し、拾い上げながら生きるのです。
神に選ばれた者の人生とはそのようなものなのです。
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人生に挫けたら、アロンのことを思い出しましょう。
アロンに注がれた神の恵みは、自分にも与えられることを確信し、今日の信仰の一歩を進めて参りましょう。
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