今日のみ言葉【No.2009】(2019年 5月16日)「聖書の読み方(5)」
テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました。
(ルカ1:3)
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福音書を書いた人たちの名前はマタイ、マルコ、ルカ、ヨハネですが、これを英語読みにすると、マシュー、マーク、ルーク、ジョンです。
私の大好きな映画「アベンジャーズ」のヒーローの一人にいそうな名前になり、急に親近感が湧いてきます。
実際、映画「スター・ウォーズ」第1作の主人公の名前はルーク・スカイウォーカーでした。
さて、ルークならぬルカによる福音書にはどのような特徴があるのでしょうか。
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マタイ、マルコの次はルカによる福音書です。
マタイによる福音書では彼の取税人という職業色が随所に現れていました。
ルカによる福音書もこれと同様で、医者であるルカならではの表現が見られます。
一例を挙げれば、マタイとマルコでは「片手のなえた人」とあるのを、ルカでは「右手のなえた人」と、より正確に記しています。
この客観性がルカによる福音書に強く現れている特色です。
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それは彼が医者であることが大きな理由ですが、もう一つに、この福音書は異邦人向けに書こうとする目的があったからです。
「テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました」
(ルカ1:3)
残念ながらテオピロという人は誰だかわかりませんが、ユダヤ人の宗教・文化・歴史の知識がない異邦人であることは間違いありません。
先ほど「アベンジャーズ」という映画の話をしましたが、ファンの間ではアイアンマン、ソー、マーベルという言葉は説明抜きで通じますが、映画を見たことのない人には何のことかわかりません。
少々荒っぽい言い方をすれば、マタイはファン向けに書かれ、ルカは初めて見る人向けに書かれていると言えばわかりやすいかと思います。
ついでに言えば、マルコは何の映画かも知らずに入った人が短時間で内容がわかるパンフレットを手渡されたようなものであり、ヨハネはその映画を見た後、何十年もたってから回顧録として記したようなものです。
ですから、ルカによる福音書では「いつ、どこで、誰が、何を、どうした」という客観性が保たれ、かつ、起きた出来事が時間順に記されています。
また、あちこちにユダヤの慣習の説明が補足して書かれてあり、その点で異邦人である私たちへの配慮が感じられます。
1章4節に彼の気持ちがこもっています。
「すでにお聞きになっている事が確実であることを、これによって十分に知っていただきたいためであります」
(ルカ1:4)
あなたに信仰の確信を与えるためにこの書は書かれたのだと言っても差し支えないでしょう。
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自分に語られたものとして聖書を読む読み方で、代表的なのは、自分の名前を入れて読んで見るやり方です。
たとえば、
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである」
(ヨハネ3:16)
の「世」と「者」いう語を自分の名前と置き換えて読んでみるのです。
私の場合こうなります。
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この丸山を愛して下さった。それは御子を信じる丸山がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである」
こうなると何か心にグッとくるものがあります。
今日の聖句のルカ1章3節では
「テオピロ閣下よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、閣下に献じることにしました」
の「テオピロ閣下」と「閣下」のところに「○○様」と○○に自分の名前を入れ、それにさらに「様」を加えて読んでみましょう。
こうなります。
「○○様よ、わたしもすべての事を初めから詳しく調べていますので、ここに、それを順序正しく書きつづって、○○様に献じることにしました」
キリストがしもべとなって私たちの下となり、謙遜に仕えてくださる愛が伝わってくるような気がしませんか?
こうやって、客観的にも主観的にも聖書を読んでいくことで、より深く正確に聖書の意図するところを汲み出していけるようになることでしょう。
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聖書の特徴をとらえ、より親しむ今日として参りましょう。
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