今日のみ言葉【No.1917】(2019年 1月15日)「5千人の給食(4)」
2019年1月15日
わたしが命のパンである。わたしに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決してかわくことがない。
(ヨハネ6:35)
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日野原重明医師はよくこんなことを後輩たちに言っていたそうです。
「君、死なない程度に病気をしたらいいよ」
先生は希望と野心に燃えた医学生時代、肺結核で1年間の療養生活を強いられ、人生計画が最初から挫折してしまいました。
しかし、その時期があったがゆえに患者さんのつらい気持ちがわかるようになり、医師としてそれがどれほど大きな財産となったかを身にしみてお分かりだったからです。
神は、喜びも悲しみも、多きも少なきも、両方用い、最善へと変えられる御方なのです。
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5千人のパンの給食は、本当に僅かなものでも、神に祝福される時、人間の思いを遥かに越えて必要を満たすことを表しています。
ヨハネによる福音書では、この奇跡の後、弟子たちをフォローするようにイエス様は
「わたしが命のパンである。わたしに来る者は決して飢えることがなく、わたしを信じる者は決してかわくことがない」
(ヨハネ6:35)
と語られています。
パンという物質を求める者には飢え渇きはつきものです。
しかし物質のパンではなく、命のパンである生きたイエス・キリストを求める者には、その飢え渇きはないのです。
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M医師は介護施設の管理者、そして入居者への医療に携わる働きを何十年と続け、定年を迎えられました。
その間もちろん休日はありましたが、トップの責任を担う者として、気持ちは24時間365日、いつ誰が急変しても駆け付けられる心構えでおられたそうです。
まるで「介護医療の鉄人」のようなその働きの秘密は、鬱と大怪我によってキリストに導かれたことだと先生は明かして下さいました。
妙に気分が塞ぎこんだ日曜の朝、ふと教会に行ってみようと思い、アットホームな雰囲気に魅せられ、M先生はそれから定期的に教会に通うようになりました。
彼はそこで人間の愛とは質の異なる神の愛を知り、その愛で愛されるとはこういうことかと体験されたのです。
もうひとつは大腿骨骨折の大怪我でした。
主治医から
「歩けるようになる確率は50%」
と告知された時には
「わたしの人生はもう終わりか。医師としての仕事は続けられないのか」
と悲観したそうです。
その後の2ヶ月間はベッドで寝たきりの入院生活。
しかし、このつらい体験が医師としての生活に測り知れない財産となったとおっしゃいます。
患者さんの気持ちがわかるようになり、心からのケアができるようになったからです。
M先生は人としての限りを知り、洗礼へと導かれました。
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頭脳明晰で健康な体を持ち、高い使命感を持った人でなければ医者になることはできません。
神様はその豊かな面をお用いになり、M先生を医師として祝福に満たしてくださいました。
と同時に、病や怪我というマイナスに見える面が竹の節のような土台となり、
「この2つがなかったら何十年も続けられなかっただろう」
と本人に言わしめるほどの原動力となったのです。
自分の技量を磨き上げての医療でも、きっと一廉(ひとかど)の実績を挙げられたことでしょうが、M先生は命のパンであるキリストを求め、神の愛に根ざしたケアをなさいました。
それが入居者とその家族にとって、どんなにありがたかったことかは想像に難くありません。
命のパンがあるところに飢え渇きはないのです。
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自分の人生を捨てずに、どんなものでも神に差し出していく時、たとえそれが僅かなものであったとしても、神はお用いになり、祝福に満たして下さいます。
命のパンであるキリストを求め、キリストに信頼して生きる。
今日をそのスタートの一日として参りましょう。
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私も病気によって、低きところに置かれました。高慢のかたまりだったので、しかし今は、やっといのちのパンを慕い求めるように歩んでいます。み言葉を食べながら、自分のできることを捧げて生きたいです。