今日のみ言葉【No.1007】(2015年 3月18日)

鉄は鉄をとぐ、そのように人はその友の顔をとぐ。
(箴言27:17)

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アメリカの神学校で勉強していた時に、"As iron sharpens iron"(『鉄が鉄を研ぐように』)という教科書がありました。

今日の聖句から書名を取ったもので、メンタリングの授業で使用します。

メンタリングとは人を育てる手法です。

伝統的な「先生と生徒」「師匠と弟子」という関係では、教えることに重点が置かれ、厳しさが伴うイメージがあります。

メンタリングではメンターと呼ばれる経験者が、その人に良い影響を与え、自発的に成長させるようなやさしいイメージがあります。

日本的概念で言えば、「兄弟子」とか「先輩」といったところでしょうか。

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同じ道を歩む先達から、

「この道はなかなか難しいよな。でも、俺でもここまでやってこられたんだから、お前だってできるよ」

と励まされれば、人はやる気を起こして頑張ろうと思います。

そのような人格的関係の中にあって、鉄でもって鉄を研磨するような訓練の厳しさに耐えることができます。

やがてその成果はその人の顔つきに現れます。

「鉄は鉄をとぐ、そのように人はその友の顔をとぐ。」
(箴言27:17)

とはまさにこのことです。

人格と人格のぶつかり合い。厳しい擦り合わせの末に生まれる神の祝福です。

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N君は校内暴力を起こす問題児として教会に来ました。

担当となったT先生は決して命令や指示をしません。

じっと彼の話を聞き、理解しようとし、上からの立場でなく、共にいて、時にN君の下となって仕える立場に徹しました。

ある日N君は「明日の朝までコピーしておいて下さい」というご奉仕を頼まれました。

ところがコピー機の調子が悪く、思うように印刷ができません。

イライラが募ったN君はコピー機を蹴飛ばしてしまいました。

コピー機は更に調子が悪くなり、ますます動いてくれません。

自分も機械も思うようにならず、腹を立てたN君は頼まれたコピーの奉仕を放り投げて帰ろうとしました。

T先生はそこで初めて言葉をかけました。

「一枚一枚やっていこう。僕もつきあうから。」

N君は紙が一枚出てくるごとに、

「あ、これはダメだ!」

とクシャクシャにして放り投げます。

T先生はそれを拾ってゴミ箱に入れます。

「ダメだ、これも失敗!」

T先生はクシャクシャとなった紙をゴミ箱へ…。

これを延々と繰り返し、夜遅くまでこの戦いは続きました。

そしてとうとうN君の基準にかなったコピーの枚数が整いました。

彼は最後に

「ありがとうございました」

とボソッと一言、T先生に言って帰って行きました。

それからの彼の顔つきが変わっていったことは言うまでもありません。

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イエス・キリストはあなたの友です。

「わたしはあなたがたを友と呼んだ」
(ヨハネ15:15)

この方が私たちと共に歩み、励ましを与え、導いて下さり、時に鉄が鉄を研ぐような厳しさを味わわせながら、私たちを成長させて下さるのです。

決してあきらめないこの方と共に、今日一日を歩んで参りましょう。

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