今日のみ言葉【No.3019】(2023年 2月27日)「生活の処方箋(24)『氷が動く世界』」
律法の全体は、「自分を愛するように、あなたの隣り人を愛せよ」というこの一句に尽きるからである。
(ガラテヤ5:14)
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最近、
「家族の宿題が解決した」
と多く伺います。
子どもさんの問題をお持ちだったご両親に、
「なぜ解決したのですか」
と尋ねてみました。
すると、
「人は愛されたいのだ、ということがわかりました。愛するとは、『自分に関心を示して欲しい。自分のことをわかってほしい』という相手の要求に気がつくことだと。そこで、自分の価値基準にとらわれないで、子どもの身になり、子どもの思いに耳を傾け、理解しようと努めました」
と語られました。
人は理解してほしいのです。
ただ、
「そうなのか」
とあるがままを受け入れる姿勢に愛を体験し、いやされるのです。
さらに、
「どうして相手を理解することができたの」
と伺うと、
「子どもの問題は結局、親の問題とわかり、自分を裁く人生に別れを告げたのです。自らを裁く自分をありのまま認めることができた。その体験が根本にあるのです」
と。
自分と出会い、自らをいつくしんでいきましょう。
(※田中信生の『生活の処方箋』より)
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「ああ、これではダメなんだ。今度からちゃんとしなくては」
と思い、自分を戒め、二度と同じ失敗をしないように厳しく自分を律することで、行動の正確さは増すでしょう。
しかし、そのような自分でいるからかえって逆効果なのだと気づきます。
そうすると、
「自分を裁くことはやめていかなければならない」
としたくなりますが、実はそれは落とし穴なのです。
なぜなら、
自分を裁くことは悪いこと → これではダメだ → 今度から裁かないようにしよう
という考え方は、今までのパターンと同じだからです。
自分を愛するとは、自分を直すことではありません。
先の親御さんの例なら、
「ああ、私は『子育てに失敗した。こんな自分ではダメだ』と自分を裁いているんだなあ」
と、ありのままの自分を認め、それ以上の何事をもしないでいることです。
自分を変えようとする努力を自分に課さないこと。
そのありのままの自分と共に、じっとしていてくださるキリストを意識するのみで良いのです。
それは真夏にテーブルの上に置かれた氷のようなものです。
冷凍庫から氷のひとかけらを取り出し、それをテーブルの上に置きます。
しばらく何もしないで見ていると、氷は溶け出し、下に水がたまり、ある瞬間にスルリと滑り出して動きます。
「自らを裁く自分をありのまま認める」とはこのようなことが起こる世界を生きることです。
そして、裁きは神様にお任せしていくと、人間の心は、たとえ氷のように冷たい硬い心であっても、動き出していくのです。
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自分を裁かず、自分を愛していくこと。
その愛が、やがて隣人にまで及び、愛の世界は広がっていきます。
今日もその愛を求めつつ、神の愛に憩うひとときを持って参りましょう。
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