今日のみ言葉【No.2415】(2020年11月27日)「十字架を負う者(1)」
そこへ、アレキサンデルとルポスとの父シモンというクレネ人が、郊外からきて通りかかったので、人々はイエスの十字架を無理に負わせた。
(マルコ15:21)
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昔、学生だった頃、駅で突然
「この録音テープを仙台駅まで持っていってくれませんか」
と、あるラジオ局の人に頼まれ、うっかり
「いいですよ」
と言ってしまったことがありました。
夕方のニュースで流す内容だそうで、無事お渡しし、お礼としてその放送局名入りの手ぬぐいをもらいました。
今振り返っても爽やかな気分になれる思い出です。
テープは軽かったですが、重い十字架を運べと命じられたのがクレネ人シモンでした。
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当時、死刑にされる者は自分がつけられる十字架の横木を背負って刑場まで行くのが通例でしたが、イエス様の場合はクレネ人シモンが代わりに負いました。
やはり神の子は特別扱いだったのでしょうか?
それは全くの勘違いです。
前夜のゲツセマネの園での逮捕以来、イエス様は寝ていないはずです。
あちらこちらに連れ回され、裁判にかけられ、むち打たれ、ローマの兵士から嘲弄と暴力を受けたので、十字架を負うことが出来ないほど肉体が弱っていました。
そこでローマ兵はその横木を代わりに負わせる人物を探し、たまたま見物客の中にいたクレネ人シモンに目をつけ、彼に
「十字架を負え」
と命令したのです。
クレネ人シモンは、過越の祭に出るため北アフリカの家からはるばるエルサレムまで出てきたのだろうと考えられています。
彼の旅行のスケジュールの中には、「どこの誰ともしれぬ罪人の十字架を自分が背負う」などという項目はありません。
しかし、実際、イエスの十字架を彼は負わせられてしまい、刑場のゴルゴタまでそれを手放すことを許されませんでした。
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神を信じる者が通る人生は、シモンの人生と似ています。
思いもしなかったような十字架を負わせられるからです。
ただし、不当な扱いを受けても、クリスチャンなら何でも耐え忍べと言っているのではありません。
その場合は、抗議し、自分の立場を主張し、問題を解決すべきです。
しかし、自分にとって十字架だと感じる重荷を負わせられる現実というものは確かに存在します。
それをあえて負わせる神がいるというのなら、
「神様、あなたは一体何を意図して、この私に重荷を与えているのですか?」
と祈りの中で問うてみることには意味があります。
ひとつの答として、私たちが自分のことだけでなく、周囲の人々のことを考えさせるように意図しておられるのだ、というものがあります。
それで自分の心が納得できるなら、十字架を負うことは愛の労苦という意味を持ちます。
負わせられる十字架は、私たちが愛の人となり、神の祝福が広がるための道具として渡されたのだということです。
人それぞれ、祈りの答は違うでしょうが、負わせられた十字架の先には祝福があるのだと聖書は記しています。
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全くイエス・キリストと関係のなかったクレネ人シモンは、このことをきっかけとして救いにあずかりました。
そしてその後、彼だけでなく、妻と息子もローマの教会でよき働きをしていたことが次の聖書箇所から知られます。
「主にあって選ばれたルポスと、彼の母とに、よろしく。彼の母は、わたしの母でもある。」
(ローマ16:13)
災難かと思われた十字架の出来事を通して、シモンはクリスチャンとなり、一家全体が信仰を持ち、妻と息子たちが教会で重要な働きをするようになっていったのです。
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十字架を負わせられる時は、その先にある平安と喜びを先取りして負わせていただきましょう。
それは必ず栄光に変わるからです。
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