今日のみ言葉【No.1689】(2018年 1月20日)「 天国を見て生きる」

2018年1月21日

神はこう言われる、「わたしは、恵みの時にあなたの願いを聞きいれ、救の日にあなたを助けた」。見よ、今は恵みの時、見よ、今は救の日である。
(第2コリント6:2)

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大分県の別府温泉で「地獄めぐり」観光をしたことがあります。

コバルトブルーの海地獄は地獄らしくなく綺麗でした。血の池地獄、坊主地獄も興味深かったです。

ただ、私は工学部応用化学科出身なので、

「あの青は硫酸鉄(ヘキサシアノ鉄酸鉄)が溶けている色かな?血の池は酸化第二鉄だな。坊主地獄の粘性は高いな」

などと物質の成分と性質の方に気を取られていたことを覚えています。

荒涼とした景色を見て、

「あんなところには行きたくない」

と地獄から逃れる生き方もありますが、美しい景色を見て、

「こんな綺麗なところに行きたい」

と天国を目指す生き方もあります。

あなたはどちらを生きているでしょうか。

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たとえ天国を目指して行こうとしても、聖書は天国への道は人間が自力で切り開くことはできないと主張します。

神と人間との間は罪で断絶され、人間側の努力ではあちら側の神の領域にたどり着くことはできないのです。

「なぜなら、律法の行いによっては、だれひとり義とされることがないからである」
(ガラテヤ2:16)

人間はお手上げですが、聖書は神が行動を起こされ、神と人との間の深く大きな溝に十字架という橋を架けて下さったことを述べています。

「さらに、わたしたちが罪に死に、義に生きるために、十字架にかかって、わたしたちの罪をご自分の身に負われた。その傷によって、あなたがたは、いやされたのである」
(第1ペテロ2:24)

この十字架という橋を信頼して渡る時、神はそれを「義」として認めて下さり、罪無き者として受け入れてくださるのです。

「しかし、彼を受けいれた者、すなわち、その名を信じた人々には、彼は神の子となる力を与えたのである」
(ヨハネ1:12)

もはや自分の至らなさ、弱さを打ちたたく必要はありません。

キリストがすべての罪の代価を払ってくださったのですから、大手を振って天国を見ながら今の人生を生きていけばよいのです。

そうすると、今まで足を引っ張ってばかりいた過去が、逆に天国行きの力となってあなたの足を速めてくれるようになります。

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このことを理解するための助けとして、一つの例をあげてみましょう。

私は看護学校や美容学校でカウンセリングの授業を受け持ってきました。

人と接するお仕事ですから、大半の人たちが

「どう話せばよいか」

という不安を持っています。

その中でも特に「コミュ障(コミュニケーション障害)」を自覚している人たちは、もう本当にどうしていいかわからないでいます。

そこに突如としてカウンセリングの授業が始まり、人間関係の作り方を学ぶというので、渡りに船、極楽からお釈迦様が下ろした蜘蛛の糸にカンダタが飛びつく如く、真剣に授業を聞いてくれます。

ですからコミュ障の人ほど教えられたことを忠実に正確にする人はいません。

それに加えて、過去に味わった人との間の嫌な出来事や心の傷が共感するための豊富なエネルギー源となり、普通の人以上の素晴らしい解答を出し、人間関係が広がっていくのを目にします。

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ある日の試験で

「彼に頭にくることいっぱいあるんだけど、なかなか言えなくって…。言ったほうがいいのかなあ…」

という女性を支えるにはどう言ったらいいか、という問題を出しました。

人間関係に問題を感じていない学生さんの答えは

「大丈夫だよ。元気出せよ」

という程度のものでした。

しかし、人間関係が苦手で、今まで人付き合いを避けてきたコミュ障の人たちの答えは群を抜いていました。

「相手を思うと言えないこともありますよね。支えてあげたいというその気持ちがあるだけでも良いことだと思いますよ」

「喧嘩はしたくないですものね。それだけ彼のことを考えていて素敵な彼女さんだと思います」

「言いたいことがあっても言えないことってありますよね。言いたいことがあっても言わないで自分に止めておけるところがとても大人なのだなと思います」

「嫌われるかもとか不安になりますよね。しっかりと気持ちを伝えようとしててすごいと思いますよ」

いずれもこの悩みを打ち明けた女性の生きる姿勢に光を見出し、人を生かす方向に向かった言葉です。

彼らが過去に味わったマイナスの記憶が、今や人を生かす命のエンジンへと変えられているのを見るのは感動でした。

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「今は恵みの時」なのですから、天国の方向に目を向け、天国の祝福を仰ぎ見ながら今日の一歩を進めて参りましょう。

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