今日のみ言葉【No.1602】(2017年 9月 4日)「 危機によって鍛えられる」

あなたがたは恐れてはならない。かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい。
(出エジプト記14:13)

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田中信生先生のお父様の田中美男(たなかよしお)先生は、栄光に輝くツルツルの頭を持っておられました。

かろうじて後ろ側に髪の毛が残っているのを題材にして、ユーモアたっぷりでこう教えてくれたものです。

「チャンスは前髪あって後ろ髪なし。その時つかまなければ後は無いんだよ。この頭とは反対じゃ。アッハッハ!」

戦時中、かの治安維持法でキリスト教会が弾圧される中、命がけで伝道された先生だけに、その言葉の重みが伝わってきました。

出エジプトのイスラエルも危機の連続の中で生かされていました。

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イスラエルの民がエジプトを出たのは、圧制からの逃避ではなく祝福となる運命の達成のためです。

脱出のチャンスは一瞬です。

しかし、一晩の内に大急ぎで出発しなければならなかった彼らに、十分な準備を期待することはできません。

エジプトから出てパロの圧制から解放されたのはいいが、とにかく彼らは急いで移動せねばならず、食べることの心配やこれからどうなるのかわからないという不安に襲われました。

「われわれはエジプトの地で、肉のなべのかたわらに座し、飽きるほどパンを食べていた時に、主の手にかかって死んでいたら良かった。あなたがたは、われわれをこの荒野に導き出して、全会衆を餓死させようとしている」
(出エジプト記16:3)

厳しい試練には常に危機感と絶望感が伴います。

十分に訓練が施された民なら冷静沈着な行動を期待できますが、いきなり荒野に立たせられ、昨日まで何の訓練も準備もなされていなかった人々にそれを期待するのは無理なのです。

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この事態を神はどうご覧になられたのでしょうか?

この民は資質がないと諦められたでしょうか?

いいえ、イスラエルの民が試練を通らされるたびに、神はご自身が全ての必要を満たされる存在であるという確信を彼らに植え付けられました。

つまり、危機によって彼らの神信頼を鍛えあげられたのです。

前には紅海、後ろにエジプトの軍隊が迫り来る絶体絶命の時、

「あなたがたは恐れてはならない。かたく立って、主がきょう、あなたがたのためになされる救を見なさい」
(出エジプト記14:13)

と、紅海を渡る奇跡を行われました。

飲み水がない時には

「見よ、わたしはホレブの岩の上であなたの前に立つであろう。あなたは岩を打ちなさい。水がそれから出て、民はそれを飲むことができる」
(出エジプト記16:6)

として、水を与えられました。

危機は神を信頼するためのチャンスとなったのです。

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私は先週、ひとつのチャレンジを受けました。

実は今週後半から約1週間、アメリカのピッツバーグへ行き、数回のバイブルレクチャー、2回のメッセージをすることになっています。

当初、日本語だけでOKの予定でしたが、段々近づいてくるとアメリカ人の方が多く集まる集会があり、そこは英語でメッセージをすることになりました。

イスラエルの民が味わった危機とは比べ物になりませんが、私にとっては大きなチャレンジです。

試練や危機がやってくると、そこをどう通り抜けようかと人は考えます。

「神様どうしましょうか?」

と祈ると、

「それはお前が考えろ」

という答が返ってきました!

「やっぱり日本語でいいです」とか「代役が見つかりました」とか、自分が楽をできるように神様を動かそうとしてもそうはならないということです。

私が私自身を何とか動かさなければなりません。

さて、私の性格は、妻からは「見栄っ張り」、精神科医からは「ええ格好しい」と言われています。

つまり、人前で恥をかかないように一生懸命頑張るプライドが高い人間なのです。

そこで強制的に人前で恥をかくかもしれない事態にしました。

教会の英語礼拝でピッツバーグ用のメッセージをさせてくれ、と担当者に無理矢理お願いをし、何とかかなえてもらったのです。

人が大勢集まる前で、「ア〜、ウ〜」と言ったきり詰まって突っ立ったまま、というのは私にとっては最大の拷問です。

そうならないように、むしろ「流暢に英語を操り、人々を魅了するメッセンジャー」という肯定的ビジョンを描き、何とか間に合わせ、昨日の英語礼拝でメッセージをすることができました。

このようにして神は私を鍛えてくださっているのだな、としみじみ思う今日なのです。

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危機は神信頼を養うチャンスの時です。

「きっとあなたはできるよ」と語ってくださる神がおられることを信じ、あなたならではのチャレンジの一歩を踏み出して参りましょう。

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