今日のみ言葉【No.3262】(2024年 1月16日)「貪欲への警告（1）」

群衆の中のひとりがイエスに言った、「先生、わたしの兄弟に、遺産を分けてくれるようにおっしゃってください」。
（ルカ12:13）

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遺産相続は揉めます。

「相続」でなく「争続」の様相を見せることもざらにあります。

ベテランの弁護士さんに、どうしたらトラブル無く相続手続きができるのかと質問したら、

「兄弟仲良く。それが一番」

という名答が返ってきました。

普段から兄弟姉妹の間柄に気を配り、良い関係を保っていることが、いざという時に一番効果があるということです。

普段から挨拶を欠かさない。お中元・お歳暮を贈る。年賀状、暑中見舞い、クリスマスカード…。

このような潤滑油がなかったせいかどうかはわかりませんが、遺産相続でトラブルの中にいた人が聖書の中に登場します。

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今日の箇所は、イエス様が語っておられるその場にいながら、霊的真理を全く聞いておらず、自分のことばかり考えていた人の話です。

ルカ11章14節からの流れで、イエス様が霊的高嶺まで人々を導いておられたのに、彼は突然、自分の金の話をし出しました。

「先生、わたしの兄弟に、遺産を分けてくれるようにおっしゃってください」
（ルカ12:13）

イエス様のそれまでの話とは全く無関係な話題であり願いです。

彼は自分の財産のことで頭がいっぱいだったので、それしか口から出てこなかったのです。

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しかし、この男の立場からものを見れば、彼の言い分ももっともだと考えられます。

そのためには、当時のユダヤの相続につて知る必要があります。

律法によれば、兄は弟たちの取り分の2倍を相続することになっていました。

また、父の死後、急にいなかったはずの兄弟が現れて、遺産相続の権利を主張することがあるので、その際はユダヤ教の指導者であるラビが裁定することになっていました。

この男はイエス様をラビ（先生）として、そしてメシア（救い主）として見ていたのです。

ラビであり、メシアであるなら、次の御言葉が適用されるはずです。

「神よ、あなたの公平を王に与え、あなたの義を王の子に与えてください。彼は義をもってあなたの民をさばき、公平をもってあなたの貧しい者をさばくように」
（詩篇 72:1-2）

遺産相続の裁定をしてくれと言ってきたこの男の思いを言葉にすれば、おそらくこうなるでしょう。

「私はあなたをラビでありメシアだと見ています。メシアは紛争を公正にさばく方でしょう。ですからあなたにお頼みするのです」

こうなると、彼が突然現れて、場違いな願いをするのも不適切とは言えなくなります。

しかし、どこか違う感じもします。

私たちが違和感を持つのは、この男が、一見信仰に立った願いをしているように見えますが、実は自分のことしか考えておらず、極めて一方的な願いの押しつけをしていることが感じ取れるからです。

御言葉を盾にとって自分の思い通りに神をコントロールしようとする試み。

これは罪であり、的外れの行為なのです。

イエス様はどう対応されたのでしょう？

以下、次回に続きます。

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まず、自分のありのままの願いを神に申し上げること。

すると、神はその願いをそのままでは聞き入れず、最初の願いとは全く異なった御心へと私たちを導かれます。

しかし、それこそが自分が本当に求めていたものだ、と後になって気づくのです。

「何事も思い煩ってはならない。ただ、事ごとに、感謝をもって祈と願いとをささげ、あなたがたの求めるところを神に申し上げるがよい」
（ピリピ4:6）

この御言葉に励まされて、神に求め、願い、祈りの世界を歩みましょう。

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