今日のみ言葉【No.1880】(2018年11月13日)「 十二弟子の派遣(2)」

彼らにけがれた霊を制する権威を与え、
(マルコ6:7)

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経営の神様とまで称された松下幸之助さんが、ある時、

「君、風の音を聞いても悟る人がおるなあ」

とつぶやきました。

それを聞いていた松下さんの側近の江口克彦さん(元PHP研究所所長)は、最初何を言われているのかわかりませんでしたが、まもなく、

「ああ、これは私に対する注意だな」

と悟りました。

つまり、

「わしの言うことをよく聞き、もっと深く理解するように」

という訓戒だったのです。

どの部門の責任者であれ、自分に責任を与えた上の人の真意を探り、常にそのことを意識しながら仕事をしなければなりません。

リーダーとなるべく選ばれた十二弟子たちが心に留めるべきことは、自分たちは悪霊を制する権威を与えられているということでした。

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イエス様は十二弟子を遣わすにあたり、彼らに「けがれた霊を制する権威」を与えられました。

けがれた霊とは悪霊のことで、「霊と心とからだ」(第1テサロニケ5:23)でできている人間に悪影響を及ぼす存在です。

すなわち、肉体的(体)にも道徳的(心)にも宗教的(霊)にも汚し、混乱させる霊です。

伝道に遣わされる弟子たちは、霊的に打ち勝つ道はここにあると知らされ、また、人々にこの神の力と愛を伝えました。

この世にはたくさんの混乱している状況を見ますが、その現象面だけに目をとらわれるのではなく、クリスチャンはその背後で支配する霊的存在に目を向けなければなりません。

目に見えない背後の世界を意識するようになると、最初は恐れます。

あなたの知らない世界だからです。

しかし、「けがれた霊を制する権威」が与えられているのだと知ると安心です。

神の力によって最終的には勝利が与えられることがわかっているからです。

霊の戦いは意識の戦いです。

私たちは常に思いを新たにすることにより、信仰によってけがれた霊を支配していくことが出来るようになります。

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先ほどの松下幸之助さんの口癖は

「君、何か用事はないか」

だったそうです。

一日に何度も各部署の責任者に電話をし、

「君、何か用事はないか」

と尋ね、会社の現状や仕事の進み具合、部下から何を聞いたかを報告させます。

ある時事業部長がうっかり「何もありません」と言ってしまいました。数時間前に綿密な報告をしていたからです。

すると松下さんが厳しい口調でこう言いました。

「君、こんなに世の中が速く動いているというのに、たとえ一時間でも何の変化もないということはないやろ」

江口氏はこう書いています。

「もちろん、数時間で事態がそうそう変化するはずはない。それは松下さんも百も承知である。松下さんが言いたかったのは、『常に考え続けていないから、君は何も答えられらないのではないか?』ということだった」
(『猿は猿、魚は魚、人は人』、江口克彦著、講談社、P28)

自分に与えられている力と自分がいる位置を常に意識していること。

それが霊の戦いの最前線にいる人たちに最も必要なことです。

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聖霊と共にいる意識を持つ一日として参りましょう。

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