今日のみ言葉【No.1356】(2016年 8月24日) 025 「悪霊につかれた口のきけない人」(1)

2016年8月25日

彼らが出て行くと、人々は悪霊につかれて口のきけない人をイエスのところに連れてきた。すると、悪霊は追い出されて、口のきけない人が物を言うようになった。
(マタイ9:32-33)

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アメリカの神学校で学んでいた時、幸運なことに、日本人ファミリーのお宅にホームステイさせていただきました。

振り返ると、私の肉体的健康(日本食)だけにとどまらず、精神的健康のためにも本当に良かったと思っています。

アメリカなので当たり前ですが、一歩外に出れば全部英語の世界です。

学校も英語、お店も英語、テレビもラジオも英語。もちろん誰も日本語で話しかけてはくれません。

息が詰まりそうになるというのはこういうことかと思いました。

ですから、ホームステイ先に帰って、

「今日は学校どうでしたか?」

と奥様に日本語で聞かれる時が一番ホッとしたものです。

自由に日本語で話せるということがどんなに楽で疲れを癒やすものなのか。

そして、日本語が話せるのは限られた時間なので、もったいなくてその時間を愚痴や否定的話題で費やすことが出来ません。

自然に前向きな話、「良かったねー!」で終わる話を多くするようになっていました。

このような「話す」という交流ができなくなったのが、今日の聖書個所に出てくる悪霊につかれた人でした。

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マタイ9章32節〜33節で使われている「口のきけない人」という言葉のもともとの意味は、「鈍感な人」「陰鬱な状態の人」です。

ですからこの人は聴覚障害者ではありません。

悪霊につかれたので言葉が出なくなっていたのです。

人は否定的・破壊的霊に触れると、その影響を受けて、妙に沈み込んだり、無反応な表情になったりします。

例えば、占いやオカルトにどっぷり浸かった結果、その破滅的メッセージを取り込み、何をするにもやる気が無くなってしまう…、などということはあるものです。

ここでの「口のきけない人」も、人々から連れてこられるほどですから、状態が相当ひどかったのだと思われます。

言葉が出なくなることによって、人格的な反応が出来なくなり、人との人格的交流が絶たれた状態にいる、というのがこの人の姿でした。

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イエス様はこの人の悪霊を追い出し、再び言葉を話すことが出来るようにされました。

ものが言えるということは、人間の人格的な営みができるということです。

悪魔の仕事は、神と人とを離し、人と人との関係を切り離すことです。

悪霊につかれたこの人は、言葉が出なくなることで周囲との人間関係が切り離されていました。

しかし、イエス様はそれを再び取り戻し、元の状態へと回復されたのです。

イエス様と出会うということは、回復する、ということでもあります。

言葉が復活し、お互いの気持ちを言葉で伝え合えるようになること。

それがキリストと出会ったしるしの一つとなります。

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A君は男子高校生。この年代になるとお母さんに物をしゃべることはぐっと少なくなります。

「うるせぇ」「うぜぇ」「クソババア」

この3セットがお母さんに浴びせる言葉でした。

ある時、彼は学校で問題を起こし、停学処分を受けることになりました。

クリスチャンのご両親は息子を連れて校長先生と面会に行きました。

校長先生は、

「私は玄関で毎朝一人々々に挨拶する時、君の目つきが気になっていた。一体何をそんなに怒りを貯めこんでいるんだ?」

と尋ねてこられました。

A君はここで初めて、

「お小遣いを貯めてようやく買えた新しい靴を、学校に履いていったその日に盗まれた」

という出来事を話しました。

校長先生は

「そうか、それは悔しかったね」

と彼の気持ちを汲み取り、そして次に

「悪かった。私の責任だ」

と言って、頭を下げて謝って下さいました。

校長先生が十字架を負って下さったのです。

学校に再び通うようになってからも、校長先生はしばしば彼に声をかけてくれました。

A君は友達に、

「俺がこの学校で一番校長先生と親しいんだ」

と自慢するほどになり、無事卒業しました。

今は立派な社会人となったA君は、結婚して家庭を持ち、お母さんに3語しか話さなかった高校時代とは打って変わって、やさしい息子として生活しています。

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イエス様はあなたに言葉を復活させ、人格的交流を回復させて下さる御方です。

この方を心に迎え入れ、心の内からの言葉を発するひとときを持たせていただきましょう。

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