今日のみ言葉【No.3495】(2024年11月 7日)「ルベンへの預言」

ルベンよ、あなたはわが長子、わが勢い、わが力のはじめ、威光のすぐれた者、権力のすぐれた者。しかし、沸き立つ水のようだから、もはや、すぐれた者ではあり得ない。あなたは父の床に上って汚した。ああ、あなたはわが寝床に上った。
(創世記49:3-4)

——————

萩原朔太郎の詩に、「竹」という作品があります。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

ますぐなるもの地面に生え、

するどき青きもの地面に生え、

凍れる冬をつらぬきて、

そのみどり葉光る朝の空路に、

なみだたれ、

なみだをたれ、

いまはや懺悔をはれる肩の上より、

けぶれる竹の根はひろごり、

するどき青きもの地面に生え。

^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^

いかがでしょう?

青い竹が、まっすぐするどく生えていく様が、読者に冬の冷気さえ感じさせる書き方で表現されています。

また、地面の下に竹の根が染み渡るように広がっていく様も感じられます。

詩形式という文学的表現によって、強調されるものがあるのです。

創世記49章のヤコブの預言では、詩的表現が用いられ、彼の感情が伝わってきます。

-*-*-*-*-*-*-

創世記49章3節〜4節は、ヤコブの長男であるルベンに対する預言です。

歴史的客観性を重視した書き方になると、こうなります。

「ルベンは長子であったが父の床を汚したので、長子の権はイスラエルの子ヨセフの子らに与えられた。それで長子の権による系図にしるされていない。またユダは兄弟たちにまさる者となり、その中から君たる者がでたが長子の権はヨセフのものとなったのである」
(歴代志上5:1-2)

この方がよくわかるという人もいらっしゃるでしょう。

しかし、これだと創世記49章のような味わいがなくなると感じる人もいらっしゃるでしょう。

その通りなのです。

聖書は様々な文学形式を用いて、神のメッセージを効果的に伝えようとしています。

-*-*-*-*-*-*-

ここでは詩形式の中で、「反復」、「対比」、「比喩」という技法が使われています。

まず、同じような言葉が繰り返し使われる「反復」という技法によって、リズムが作られています。

「わが勢い、わが力のはじめ、威光のすぐれた者、権力のすぐれた者」
(創世記49:3)

これによって、ルベンの強さが通常以上に伝わってきます。

しかし、それと「対比」されて、父ヤコブの妻ビルハを犯した罪がくっきりと浮かび上がってきます。

「あなたは父の床に上って汚した。ああ、あなたはわが寝床に上った」
(創世記49:4)

この鮮やかなコントラストは詩形式でなければ伝わってこないでしょう。

ヤコブは、その原因は、彼の衝動的性質であり、自分をコントロールできない弱さであることを述べています。

「しかし、沸き立つ水のようだから」
(創世記49:4)

というのがそれで、「比喩」という技法が用いられています。

ルベンは長子ですから、父ヤコブの財産を相続する特権がありましたが、彼のこの性質によってふさわしくないことが認められ、

「もはや、すぐれた者ではあり得ない」
(創世記49:3)

となりました。

そして、長子の特権はヨセフ族に移り、部族としての優位性はユダ族に移ったのです。

-*-*-*-*-*-*-

聖書で使われている文学様式を知ることで、より一層聖書理解が深まります。

聖書を味わって読む読み方を体得していきましょう。

-*-*-*-*-*-*-
-*-*-*-*-*-*-

□ ^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^^ □
■メールマガジン「今日のみ言葉」
■発行責任者:山形ジョイフルチャーチ 丸山芳浩
■ご意見ご感想は、 maruyama@mikotoba.org までどうぞ
■Webサイト mikotoba.org
■YouTube 丸山芳浩師 メッセージチャンネル
www.youtube.com/@joymaru

■御言葉メールの申込、停止は全て自動でなされます。下記メールアドレスに件名も本文も無い空メールを送信して下さい。

☆御言葉メールをお申し込みになりたい方は
reg@mikotoba.org
(仮登録メールが送られますので、その中のリンクをクリックして本登録となります)

★御言葉メールを停止したい方は

御言葉

Posted by maruyama