今日のみ言葉【No.2146】(2019年11月16日)「ジョセフ・スクライヴェンの人生」

2019年11月16日

わたしは思う。今のこの時の苦しみは、やがてわたしたちに現されようとする栄光に比べると、言うに足りない。
(ローマ8:18)

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この夏、トマト・ナス・カボチャで賑わった家庭菜園でしたが、10月末にはそれらを取り去り、代わりに小松菜・紅菜(べにな)の苗を植えました。

間もなく雪で畑はすっかり覆われますから、苗が命を保っているのか枯れているのかわからなくなります。

しかし、雪の下でじっと耐え、来年の春には糖分と栄養分を増した葉が伸びているという希望が確かにあるので、私は今楽しみにしていられるのです。

私たちの現世での労苦は、来世の希望があるからこそ耐えていけるのです。

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ローマ人への手紙第7章まで、パウロは相当苦しみ、自分の罪から解放される一切の努力は無駄であり、これからも自分の内にその力を見い出せないと絶望します。

しかし8章では一転して明るい希望に満ち溢れます。

なぜなら、イエス・キリストの十字架による罪の贖いの福音を知り、それを信じ受け入れたからです。

「こういうわけで、今やキリスト・イエスにある者は罪に定められることがない。なぜなら、キリスト・イエスにあるいのちの御霊の法則は、罪と死との法則からあなたを解放したからである」
(ローマ8:1-2)

これはたとえて言うとこうなります。

今まであなたはアダムとエバという先祖の失敗により、サタン家の子供となり、虐待されていました。

しかし、イエス・キリストの福音を聞き、神様の家に養子とされました。

こちらは愛にあふれた裕福な親で、サタン家では持っているものを全部搾取されていましたが、父なる神様の家ではその全財産を相続させると言われています。

全く別の関係に入れられたのです。

ただし、現在はまだ過渡期なのです。

養子縁組の手続きは全て完了しましたから、もはやサタンの言うことを聞く必要はありません。

しかし、天の神の家に入るまで、つまり地上の人生が終わるまで、まだこの世のものを引きずって生きているのが私たちの現実の姿なのです。

労苦はあり、罪と欲に誘惑される弱さがまだあり、疲れと病を持つ肉体は日々老化に向かっていきます。

そのような中にあって、

「わたしは思う。今のこの時の苦しみは、やがてわたしたちに現されようとする栄光に比べると、言うに足りない」
(ローマ8:18)

とパウロが言う希望が私たちには与えられています。

この希望の杖にすがりながら、この世の坂道・荒れた道を歩んでいくのがクリスチャンの人生であり、私たちが通過した後には、次に続く人たちへの祝福が残されてあるように神様は導いて下さるのです。

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世界で最も有名な讃美歌は「いつくしみ深き」(讃美歌312番)でしょう。

この歌を作詞したのはアイルランド人のジョセフ・スクライヴェンという人です。

彼の人生は悲劇で満ちています。

まず、結婚式前日に婚約者が溺死するという出来事に見舞われます。

スクライヴェンはカナダに渡り、新しい生活を始めますが、そこでお母さんが重病であるという知らせを聞きます。

彼はお母さんを慰める手紙を書き、その中に"Pray Without Ceasing"(絶えず祈りなさい)という詩を記しました。

これが後の「いつくしみ深き」という題名の讃美歌になるとは彼はその時想像もしなかったはずです。

その後、スクライヴェンは二人目の婚約者を得るわけですが、この人もまた結婚前に肺炎で亡くなってしまいます。

彼は66歳で天に召されるまで、人々を助け、教え、奉仕活動に人生を捧げましたが、晩年は重いうつ病にかかっていたようです。

ですから、溺死という彼の最後は、事故死なのか自殺なのかいまだに答が出ていないということです。

このような人生をどう思われますか?

普通の人なら相次ぐ不幸に絶望したり、クリスチャンなら教会に行かなくなったり聖書を読まなくなったりすることがあるでしょう。

しかし、彼はキリストにある希望を捨てないで生きていたのです。

ただし、彼は完璧な人間であったわけではなく、弱さを持った人間でありました。

そうです。私たちは意識しているにせよしていないにせよ、皆、規格外の弱さを持った人間であり、それが破綻しないように大事に抱えながら生きている存在なのです。

そのようなわけのわからない人生を通らされ、それでも天の家への希望を持ちつつ命をつないでいると、そこを通してでなければ生み出せない神の祝福の泉が湧き、命の水が流れ出します。

ジョセフ・スクライヴェンの苦しみや悲しみを通してできた讃美歌は、全世界の人々の心を慰め、支え、神の愛の素晴らしさを伝えています。

彼は無名の人であり、残した業績などほとんど知られていません。

しかし、神はそのような人をお用いになり、天の家に着いた時、

「ああ、私の人生はそのように用いられるためにあったのですね」

と感動をもって眺められるように神はして下さるのです。

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弱さの中で、神の栄光の約束を心に抱きつつ、一歩々々、今日の歩みを進めて参りましょう。

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Posted by maruyama