今日のみ言葉【特選メールNo.41】(2020年 5月23日)「限界の向こう側を歩む」
わたしはこのすべての事に心を用いて、このすべての事を明らかにしようとした。
(伝道の書9:1)
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この書の記者である「伝道者(コヘレト)」は、この世の法則を探ろうとして全力を傾けて調査しました。
「わたしはこのすべての事に心を用いて、このすべての事を明らかにしようとした。」
(伝道の書9:1)
その法則とは、神様がいらっしゃるのだから、
「良いことをすれば良い報いがあり、悪いことをすれば悪い報いが下される」
という因果関係があるはずだ、という思いから出ています。
努力すれば報われる。神の前に正しく生きていれば守られる。人は当然そう思います。
しかし彼の結論は、その仮説とは反するものでした。
「必ずしも速い者が競走に勝つのではなく、強い者が戦いに勝つのでもない。また賢い者がパンを得るのでもなく、さとき者が富を得るのでもない。また知識ある者が恵みを得るのでもない。」
(伝道の書9:11)
そしてただ一つはっきりしていることは、
「時と災難はすべての人に臨む」
(伝道の書9:11)
ことだと彼は述べています。
これでは人生に希望は持てません。
ゆえに人は刹那的・快楽的方向に向かいます。
「あなたは行って、喜びをもってあなたのパンを食べ、楽しい心をもってあなたの酒を飲むがよい。」
(伝道の書9:7)
災いがいつ下るのかわからないのだから、今の平穏な時に楽しめるだけ楽しんでおけ、やがて楽しみたくてもそうできない時が来るのだから、という意味です。
最大の災い、最大の悪事とは、死です。
「あなたの行く陰府には、わざも、計略も、知識も、知恵もない」
(伝道の書9:10)
死の前に一切は無意味となります。これが旧約の限界です。
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この限界の向こう側に永遠の世界を開いてくださったのがイエス・キリストです。
新約聖書では、死の限界が無効となりました。
「神はそのひとり子を賜わったほどに、この世を愛して下さった。それは御子を信じる者がひとりも滅びないで、永遠の命を得るためである。」
(ヨハネ3:16)
イエス・キリストを自分の罪からの救い主として告白し、信じる時、その人には永遠の命が与えられます。
もはや死は行き先を遮る壁ではなくなり、こちら側から向こう側へ移るための単なるドアとなったのです。
ただし、信仰を持っているから災いには遭わない、というわけではありません。
やはり「時と災難はすべての人に臨む」という事実に変わりありません。
しかし、世の人が人生に全く意味を見いだせないでいるその時でも、信仰者は永遠の命の希望を見続けていられるのです。
そして、希望の見えない世界でも、力を失うことなく、いつものように自由自在に動いていくことができるのです。
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まだ教会が古い木造の会堂だった時、夜の集会中に停電になりました。
街灯も隣近所の灯りも消えていましたから、これは電力会社側の復旧を待つしかありません。
教会に集まった方々は、真っ暗闇の中で動けず、
「どうしましょう」
とお互い言うしかありませんでした。
ところがその中に、目の見えない視覚障害者の方が一人いらっしゃいました。
彼にとっては、暗い夜も明るい昼も変わりありません。
停電の真っ暗闇の中、彼だけがいつもと同じようにスイスイと歩きまわり、皆さんの用足しのお手伝いをしてくださいました。
やがてしばらくしてから電気が通じて周りがパッと明るくなりました。
皆が歓声を上げる中、その人はこうおっしゃいました。
「目の見える方はご不便ですなあ。灯りがないと動けないんですなあ。」
これには一同笑う他ありませんでした。
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信仰を持って生きるとはこういうことです。
死で終わり、としか見えない人生では、生きている時間も虚無的思いに侵食され、せっかくの命が削られていきます。
クリスチャンも同じ暗闇の中を生きます。
しかし、永遠の命をいただいている者は、試練の中で苦しむ時も、平安の中を進む時も、いつもと同じように動いていくことができるのです。
この希望をいただいて、今日一日もいつもと同じ歩みをして参りましょう。
(※今日のみ言葉【No.1020】(2015年 4月10日)より)
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